近年、歴史的住宅建築の価値を見直し、現代の暮らしに活かす「文化的リノベーション」の動きが広がっています。これは単なる修繕ではなく、その建物が持つ歴史的背景や設計思想を尊重しながら、未来へと受け継ぐ取り組みです。
その象徴的な存在の一つが「土浦邸」。モダニズム建築の先駆者・土浦亀城と信子夫妻によって1935年に建てられたこの住宅は、機能性と美しさを兼ね備えた先進的な設計で知られています。老朽化の危機にあったこの邸宅は、ポーラ文化研究所の支援により、当時の姿を尊重したかたちで丁寧に修復され、再び多くの人の目に触れる存在となりました。
もう一つ注目されるのが、吉阪隆正設計の住宅「VILLA COUCOU(ヴィラ・ククー)」です。1960年に設計されたこの住宅も、保存・公開を目的に丁寧なリノベーションが施され、現在は文化的なイベントや展示などを通じて、その価値を広く発信しています。建築そのものが語る時代性や思想に触れられる貴重な空間として、多くの関心を集めています。
こうした文化的建築の保存を支えているのが、「住宅遺産トラスト」のような民間団体です。歴史的な住宅が解体される事例が多い中で、価値ある建築を選定・保存し、活用の道を模索する取り組みは、建築文化を守るうえで欠かせない存在となっています。
私たちもまた、リノベーションの担い手として、こうした文化的資産の価値を未来へと伝える責任を大切にしたいと考えています。建物に宿る物語を次代へ継ぐことこそ、リノベーションの本質かもしれません。
静かなセレモニーで始まったカクテルパーティーの空間に、輝くような華やかな存在感を醸し出す女性が一人現れただけで、その空間すべてが鮮やかになり、明るくなった、というような光景にこれまで出会ったことはありませんか?
設計事務所の本来の仕事は本格的な注文建築の設計。大規模事業を手掛ける大手ではない設計事務所の仕組みはどういうものだろうか。リフォームを思い立った時に依頼先としてどんなものがあるかを各依頼先の特徴を交えてご紹介。
フローリングが剥がれてきた、ドアの開閉がうまくいかなくなってきた、半年足らずで水漏れが起きたなど、手抜き工事が原因とされる問題は多くある。ではその原因は主にどんなものだろうか。各項目別にご紹介。