業者を選ぶポイント

1.設計事務所
設計事務所の本来の仕事は建築物の設計である。したがって本格的な注文建築の設計を得意とする。大規模な高層ビルを手掛ける一流企業はン十億といった工事がメインのため普通の住宅リフォーム設計を依頼するには敷居が高いだろうし、何よりよほどのコネクションがなければ引き受けてもらえない。そういった大手でない、設計士数人規模のところはどうか・・・その仕組みはこうだ。建設会社と提携しているのである。元請けから下請け、孫請けまで、ここでも系列化され、組織化されているのである。
例えばA建設会社が総工費5000万円の注文建築を請け負ったとする。設計にかけられる費用は500万円。A社は系列のB設計事務所に400万円で設計を依頼する。B設計事務所はC、D、E設計事務所に300万円で設計をコンペ(競争)させる、という仕組みである。施主にとっては一見不合理に思える仕組みだが、これはこれで機能しているのである。孫請けのC、D、Eはコンペに勝つために必死になっていいものを作ろうとするためだ。ただいずれの場合でも、必ずしも施主の方を向いていない場合がある。自分の個性を強く打ち出した作品作りに走ることがままあるので趣味や考え方に理解を示し、共感してくれる事務所と出会うことがポイントとなる。

2.リフォーム・リノベーション会社
いうまでもなくリフォーム・リノベーションを得意とし、専門とするのがリフォーム・リノベーション会社である。リフォーム・リノベーションに関することなら気兼ねなくなんでも相談できる。しかしそうはいっても得意とする分野がある。リフォーム・リノベーション会社である以上、たくさんの実績があるはずだからぜひそれを見せてもらうといい。よく見ればその会社の得意とする分野が見えてくるだろう。たとえば部分的にアップした写真が多ければ、そこは営繕型のリフォームを得意としているといった具合である。自宅で打合せするのは当然だが、本契約までにその会社を一、二度ぜひ訪ねることをお勧めする。
リフォーム・リノベーションなら自社もそれなりに洗練された店なり社屋を構えているはずだからである。また、住宅のリフォーム・リノベーションであれば、女性の活躍している会社かどうかもひとつの尺度になる。女性プランナーを多く抱えている会社は、それだけ細かい対応をしてくれる。男性では気がつかない部分への配慮が行き届くということだ。もちろん自分の価値観を理解できる人、趣味や考え方に共通点のある人がポイントになってくる。
例えばリノベーション・リフォームなら神戸の遊という会社がある。ここは、お客様目線で、例えばマンションで浴室の移動など、一見無理と思われる注文であっても、すぐNoと言わず可能性を考えてくれるところが面白い。セミナーを定期的に開いたりなど活動も活発であるが、やはり多くの実績があるところがよいだろう。リフォームの際は会社を訪れることも含め、実績や会社の活動を調べたりするのも重要だ。

3.建設会社・工務店
ゼネコンといかなくても、スケールの大きい工事が本業のため、リフォームには消極的なところが多い。規模の小さな工務店でリフォームに積極的なところもあるが、これも大手建設会社の下請け、孫請けであることを知っておきたい。こういうところに依頼すると、仕事は現場の大工任せで、監督はほとんど顔を見せないということも少なくない。
また、建設会社はもともと建設工事が仕事であり、部屋のデザインがどうの、やれ家具の位置がどうの、といったことにそれほど意を用いないのは仕方のないことで、そこに住みやすさのためのプランやアイデアを要求するのは、社員食堂でフランス料理を注文するようなもの。

4.設備業者
ガス会社や水道工事会社で子会社としてリフォームを手掛けている業者のことである。それぞれの系列に属する部門の工事には強みを発揮する。ガス会社系ならキッチンやバスルームに多くの実績を持ち、水道系の会社ならトイレや洗面所に強い。ただし、メーカーの系列会社がほとんどであるため、親会社の製品で選ぶことが多く、選択肢が限られるという不便は我慢しなければならない。

以上、リフォーム・リノベーションを思い立った時に、依頼先として考えられる業者とその特徴についてかいつまんで説明した。総括して言えることは、すべての業者に得意、不得意があるということだ。したがって自分が何を、どうしたいのかをはっきりさせた上で、その分野を得意とする業者に依頼するのが賢いリフォームとなる。肝心の費用はどうか。全く同じ工事を発注したとして、大工さんから建設会社へと、会社の組織、規模が大きくなるにつれて高くなっていく。その差は10%~20%と言われている。

それだけ信用を買っているというわけだ。ただ大会社だから安心で、町の大工さんでは信用が無いという事ではない。そういう意味では、リフォーム業界も「ブランドの時代」に入ったと言える。着実にいい仕事を積み重ねてきたからこそブランドが認められる。そしてまた、ブランドというかけがいのない信用を守る為に、いい仕事をする。この好循環こそが「ブランド力」である。

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